【気まぐれ旅日記⑯】山奥に現れる白い巨壁

こんにちは!長野で注文住宅・デザイン住宅を手がけている「ALOHA100」設計の中澤です。
旅先で出会った景色や歴史、思わず立ち止まった場所を紹介する「気まぐれ旅日記」。

今回紹介するものがあるのは南佐久郡南相木村。

実際に訪れたことのある人は少ないのではないでしょうか。

集落を抜け、山の中へ。
くねくねとした道をひたすら進んでいくと――

木々の間から、突如として巨大な白い壁が姿を現します。

今回訪れたのは、南相木ダム。

周囲を山に囲まれた場所に、これほど大きな人工物が突然現れる光景はなかなかの迫力です。

そして、もう少し近づいてみると……

青い空。
山を覆う草木の緑。
そして、その真ん中に広がるダムの白。

この色の組み合わせが、とにかくきれいです。

南相木ダムは、岩石や砂利などを積み上げて造られたロックフィルダム。
堤高は136m、堤頂長は444mあります。

一般的なロックフィルダムというと、茶色や灰色の岩が積み上げられた姿を思い浮かべますが、南相木ダムの下流側には石灰岩が使われているため、これほど真っ白な姿になっています。

近くまで来ると、一つひとつの石の大きさもよく分かります。

遠くから眺めると一枚の巨大な白い壁のように見えていましたが、実際には無数の石が積み重なってできているもの。

コンクリートのダムとはまた違う、ロックフィルダムならではの迫力があります。

とはいえ、写真だとその迫力がわかりにくい...

ということで、被写体さんに登場していただきましょう。

ちょうど隣にいた親です(笑)。

こう見ると石の大きさがよくわかるのではないでしょうか。

手前の石はもちろんのこと、積み重なる石も一つ一つがとても大きい!

もしかしたら松本城などお堀の石より大きいかもしてません。

そして果てしなく伸びる壁。

空が遠いのか、ダムが高いのか、ダムの真下に立つなんて滅多に出来るものではないので感覚がおかしくなります。

それはそうと、南相木ダムにはもう一つ目を引くものが。

山肌に沿って伸びている、巨大なウォータースライダーのような構造物。

これはダムの水を安全に下流へ流すための洪水吐(こうずいばき)です。

ロックフィルダムは堤体そのものから水を越流させることができないため、こうして堤体とは別に水を流す設備が設けられています。

それにしても、この大きさ。

水が流れていなくても、上から一気に滑り降りていきそうな姿で、ついつい見入ってしまいます。

個人的には、白い堤体と並んで南相木ダムでぜひ見てほしいポイントです。

そしてダムの上へ。

上から見ると、その高さをさらに実感します。

足元から続く白い石の斜面が、そのまま谷底へ吸い込まれていくよう。

はるか下に広場が見えますね。

先ほどまではあそこにいたんです。

下から見上げた時も巨大でしたが、上から見下ろすとまた違った怖さがあります。

ちなみに南相木ダムの天端は標高1,532m。

実はここ、日本で最も標高の高い場所にあるダムです。

山奥まで延々と登ってきた理由にも納得です。

反対側を振り返ると――

そこには、ダム湖の奥三川湖(おくみかわこ)。

この日は湖の向こう側に霧がかかり、先ほどまでの青空とは一転して少し幻想的な景色になっていました。

南相木ダムは、群馬県の上野ダムと組み合わせて揚水発電を行う神流川発電所の上部ダムでもあります。

下流側の真っ白な堤体だけでなく、その反対側には静かな湖が広がっている。

同じ場所なのに、向く方向によってまったく違う景色が楽しめるのも面白いところです。

くねくねとした山道の先に突然現れる、巨大な白い壁。

空の青、草木の緑、そして石灰岩の白。

その見た目だけでもかなり印象に残りますが、日本一高い場所にあるダムというちょっとした特別感や、巨大な洪水吐など、実際に歩いてみると見どころの多いダムでした。

南佐久方面をドライブする機会があれば、少し山奥まで足を延ばしてみてはいかがでしょうか。