玄関収納の工夫:シューズクロークやリアルな使い勝手と広さの目安 

みなさん、こんにちは!
長野で注文住宅・デザイン住宅を手掛けている「ALOHA100」プランナーの春原です。

今回は「家の顔」と言われております玄関についてのお話です。
玄関は日々の生活においては最もモノが散乱しやすい過酷な環境でもあります。
靴、傘、ベビーカー、アウトドア用品、そして花粉やウイルスが付着したアウター。
これらを生活空間に持ち込まず、いかに美しく機能的に収めるかが、玄関周りの設計における最大のテーマです。
そこで建築家の視点から「シューズクローク(土間収納)」のリアルな使い勝手と、失敗しないための広さの目安について深掘りしていきますよ。

○ウォークイン型か、ウォークスルー型か

まずシューズクロークの動線設計は、大きく2つのタイプに分かれます。
1つ目は、出入り口が1つの「ウォークイン型(納戸型)」。
人が通り抜ける通路を確保する必要がないため、限られた面積でも収納量を最大化できるのがメリットです。
来客の視線から完全に隠すことができる一方、靴を取り出してから玄関で履き替えるための動線が少し手間に感じる場合があります。

2つ目は、家族用と来客用の動線を分ける「ウォークスルー型(通り抜け型)」。家族はシューズクローク内で靴を脱ぎ、そのまま室内へ上がれるため、メインの玄関は常にスッキリと保たれます。ただし、人が通り抜けるための通路幅(最低でも約60cm)が必要になるため、同じ面積でも収納量はウォークイン型より減少するというトレードオフが発生します。

○広さの目安と収納力のリアル
ご家族の人数やライフスタイルによって必要な面積は変わりますが、設計の現場で基準としている広さの目安をお伝えします。

・1.0坪(約2畳)
最もご要望が多く、コストと実用性のバランスが良い広さです。
壁の2面に収納を設けても無理のない動線が確保できます。
家族全員の靴に加え、ベビーカー、ゴルフバッグ、キャンプ用品、冬場のアウター掛け(ハンガーパイプ)まで設置可能です。
ウォークスルー型の家族動線を作る場合も、この1.0坪がひとつの目安になります。

・1.5坪(約3畳)〜
本格的なアウトドアが趣味のご家族や、ロードバイクを屋内に保管したい場合に適しています。
土間部分を広く取り、ギアのメンテナンス作業ができるワークスペースを兼ねるなど、単なる収納を超えた趣味の空間として活用できます。

○失敗しないための棚の「奥行き」
広さ以上に毎日の使い勝手を左右するのが、棚の寸法と環境調整です。
靴を収納するだけであれば、棚板の奥行きは「30cm」がベストです。
これ以上深いと前後に靴を重ねて置くことになり、奥の靴が死蔵品になりがちです。
一方で、キャンプ用のコンテナボックスなどを置く想定なら、部分的に奥行き45〜60cmの深い棚を設けるなど、収納するモノのサイズから逆算して棚板をゾーニングする必要があります。

○扉の有無と照明計画
・シューズクロークの入り口に扉をつけるかどうかは悩ましいポイントですが、実用性から「ロールスクリーン」を採用するお客様も最近は多くなっておりますね。
普段は開けっ放しにして通気性と荷物の出し入れを優先し、急な来客時だけサッと下ろして隠すというとっても理にかなった方法です。
建物がコンパクトになってきているので、ごみのストックヤードとする方もいらっしゃいます。その場合は、引戸や折戸などの扉を付けたほうが、見た目もスッキリします。

・照明については、両手に荷物を持っていたり、泥で手が汚れていたりすることが多いため、壁のスイッチを探す手間を省ける人感センサー付きのダウンライトの採用を強く推奨しています。

シューズクロークは単なる「靴置き場」ではなく、外の汚れをリセットし、家の中の清潔を保つための「バッファー(緩衝)ゾーン」です。
今の生活で玄関に溢れているモノのサイズを測り、それらをどう動線上で処理したいかを具体的にイメージすることが、後悔しない玄関空間を作り上げる最大の近道となりますよ。
プランナーの春原でした。