【気まぐれ旅日記⑪】赤い橋はなぜ映える?

こんにちは!長野で注文住宅・デザイン住宅を手がけている「ALOHA100」設計の中澤です。
旅先で出会った景色や歴史、思わず立ち止まった場所を紹介する「気まぐれ旅日記」。
今回は、静岡県伊豆市にある修善寺温泉の紹介です!

※今回は縦写真がメインになっています。少し読みにくいかもですがご容赦ください...

静岡県伊豆市にある修善寺温泉。

温泉街を流れる桂川沿いには、「竹林の小径」と呼ばれる散策路があります。

石畳の道を歩いていくと、頭上を覆う木々の隙間から木漏れ日が差し込み、すぐそばを流れる桂川のせせらぎが聞こえてきます。

まっすぐ伸びる竹に囲まれた道は、夏の日差しの下でもどこか涼しげです。

名前のとおり、道の両側には竹がずらり。

石畳の上を歩いていると、風に揺れる竹の音と、すぐそばを流れる川の音が聞こえてきます。

この日はかなり暑かったのですが、木々に囲まれた小径へ入ると少しだけ空気がひんやり。

いかにも温泉街らしい浴衣姿の人たちも歩いていて、なんとも風情があります。

そんな竹林の小径を歩いていると現れるのが、赤い橋。

竹林の小径は「桂橋」と「楓橋」という二つの橋を結ぶように続いていて、散策の途中で鮮やかな赤い欄干に出会います。

緑に囲まれた道の先に赤い橋が見えてくると、つい立ち止まって写真を撮りたくなります。

実際、私もしっかり撮っています(笑)。

そして橋を眺めながら、ふと思いました。

「赤い橋って、なんでこんなに映えるんだろう?」

赤い橋を見ると、それだけで一気に「日本の風景」という感じがしませんか?

京都の庭園や神社の参道、山の中を流れる渓流など、赤い橋が一本架かっているだけで、不思議と景色が完成して見えます。

よく考えてみれば、橋が赤くなければならない理由はないはずです。

茶色でも黒でも、川を渡るという役割は変わりません。

それでも赤い橋を見ると、なぜか「おお、いい景色だ」と感じてしまいます。

調べてみると、赤と緑はお互いを引き立てやすい色の組み合わせなのだそうです。

確かに竹林の小径は、見渡す限りほとんどが緑色。

その中に赤い橋が一本入ることで、橋の姿が一気に浮かび上がります。

言われてみれば、夏の新緑にも赤い橋はよく映えますし、秋の紅葉の中にあっても似合います。

雪が積もった白い景色に架かっていても、きっときれいです。

どうやら赤い橋は、かなりの“景色万能選手”なのかもしれません。

そして、私たちが「日本らしい」と感じるのには、神社の鳥居や社殿などで昔から朱色を目にしてきたことも関係しているようです。

朱色には魔除けなどの意味が込められ、古くから寺社建築に使われてきました。

そのため私たちの中には、知らず知らずのうちに「朱色=日本の伝統的な風景」という印象が残っているのかもしれません。

ただ、赤く塗ればどんな橋でも同じように映えるかというと、そうでもなさそうです。

同じ修善寺温泉の赤い橋でも、開けた場所から見るのと、木々の間から見るのとでは少し印象が違います。

街の中で見ると「赤い橋だな」という印象。

ところが木々や竹、渓流に囲まれた中で見ると、急に「日本の風景だなあ」と感じます。

赤い橋だけでなく、その周りにある緑や川、石、古い建物までがそろって、あの“映える景色”をつくっているのでしょう。

緑との色の組み合わせ。

神社や寺院を思い出す朱色のイメージ。

そして、川や竹林、石畳といった周りの風景。

その全部が合わさることで、赤い橋は日本らしく、そして写真を撮りたくなるほど魅力的に見えるのかもしれません。

普段なら「きれいだな」で通り過ぎてしまう風景も、一度疑問を持つと、なんだか少し違って見えてきます。

とはいえ、難しいことを考えなくても、緑の中に赤い橋があれば写真を撮ってしまう。

どうやら私も、赤い橋の“映える力”にしっかり引き寄せられていたようです(笑)。