【新人奮闘記⑬】図面の中の夢が、現実になる日。建て方に参加してきました!

こんにちは!長野で注文住宅・デザイン住宅を手がけている「ALOHA100」の中澤です。
今回は、家づくりの中でも大きな節目となる「建て方」に参加してきました。
建て方とは、基礎の上に柱や梁を組み上げ、家の骨組みを一気に立ち上げていく工程のことです。
今まで現場で見てきた基礎や土台の状態から、たった一日で家の形が見えてくる。
まさに、家づくりの中でも一大イベントです。

現場に入ると、まず目に入ったのは、たくさんの木材。
一本一本に番号や記号が書かれており、よく見ると、あらかじめ穴や溝が加工されています。
この木材は、現場で大工さんが一から加工しているわけではなく、工場で図面通りに加工されたものが現場に運ばれてきます。
いわゆる「プレカット」というものです。
そして、木材に書かれた記号をよく見てみると……
「い」「ろ」「は」「に」「ほ」「へ」「と」「ち」「り」「ぬ」「る」「を」……
なんと、昔覚えたいろは言葉が使われていました。
「いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ つねならむ……」
まさか、小さい頃に聞いた言葉が、こんなところで使われているとは。
てっきり「A・B・C・D……」のような記号で管理されているのかと思っていたので、これは少し驚きました。
アルファベットではなく、いろは順。
なんだか、とても日本の木造建築らしい感じがします。

梁など長い部材はこのように木組みで連結します。
木材一本一本に振られた記号を確認しながら、決められた場所へ運び、組み上げていく。
一見すると単純そうにも見えますが、実際には木材の向き、順番、納まりなど、確認することがたくさんあります。
番号が振ってあるとはいえ、まるで巨大な立体パズルを組み立てているような感覚です。

そして、いよいよ柱が立ち始めます。
基礎の上に土台があり、そこへ柱が一本、また一本と立っていく。
それだけで、今まで平面的だった現場に一気に高さが生まれます。
図面で見ていた線が、目の前で立体になっていく瞬間。
設計の仕事では、普段は図面上で柱や壁の位置を見ています。
しかし現場で実際に立ち上がった柱を見ると、「この一本一本が家を支えているんだな」と、当たり前のことなのに改めて実感します。
図面では細い線でも、現場では人の背丈を超える大きな柱。
このギャップが、なかなか面白いです。

柱が立つと、次は梁を組んでいきます。
梁は建物の上部で横方向にかかる部材で、柱と柱をつなぎながら、床や屋根を支える重要な役割を持っています。
そして写真に写っている斜めの部材。
一見すると「筋交」のように見えますが、これは仮筋交です。
本来の筋交は、壁面が合板でカチッと決まってから入れるそうです。
では、この仮筋交は何のためにあるのか。
実は、建て方中の建物は、柱と梁が組まれただけの状態だと想像以上に揺れます。
仮筋交を入れないと、グラグラと大きく動いてしまうのです。
正直、木材がこれだけ組まれていると、もうかなりしっかりしているように見えます。
しかし実際には、建て方の途中段階ではまだまだ不安定。
仮筋交を入れることで建物の傾きや揺れを抑え、作業中の骨組みを安定させているのだと知りました。

建て方の日は、とにかく現場のスピード感がすごいです。
朝はまだ柱が立ち始めたばかりだったのに、気づけば梁がかかり、2階部分ができ、屋根の形まで見えてくる。
さっきまで「木材が並んでいる現場」だった場所が、どんどん「家」になっていきます。

特に印象的だったのは、青空を背景に木の骨組みが立ち上がっていく光景です。
まだ壁も仕上げもない状態ですが、この段階だからこそ見える美しさがあります。
柱、梁、仮筋交。
普段は完成すると隠れてしまう部分や、途中で役目を終える部分ですが、どれも家づくりには欠かせない大切な存在です。
完成した家を見ると、どうしても間取りや内装、外観に目が行きます。
もちろんそれも家づくりの大切な部分ですが、その裏側にはこうした骨組みがあり、たくさんの職人さんの手によって一つひとつ組み上げられています。

今回、建て方に参加してみて、家づくりは本当にたくさんの人の連携で成り立っているのだと感じました。
クレーンを操作する人。
木材を運ぶ人。
足場の上で部材を受け取る人。
位置を確認する人。
固定する人。
誰か一人だけで進む作業ではなく、それぞれが声を掛け合いながら、同じ完成形を目指して動いています。

建て方が進むと、ついに家の外形が見えてきます。
柱と梁だけだった状態から、壁の下地が張られ、屋根の形も見えてくる。
ここまで来ると、もう完全に「家」です。
数日前まで基礎だけだった場所に、これだけの建物が立ち上がる。
家づくりの中でも、建て方が一大イベントと言われる理由がよく分かりました。
今回、建て方に参加して一番感じたのは、図面と現場のつながりです。
図面上では一本の線。
しかし現場では、それが柱になり、梁になり、壁になり、家を支える構造になります。
設計として図面を書く時も、その線の先には実際に加工される木材があり、それを組み立てる職人さんがいます。
そう考えると、一本の線も簡単には引けないなと感じました。
家が完成すると、今回見た柱や梁の多くは壁や天井の中に隠れてしまいます。
でも、見えなくなるからこそ大切な部分。
そして今回の仮筋交のように、完成した家には残らなくても、家をつくる過程では欠かせない部分もあります。
完成した姿だけを見ていると分からない、家づくりの途中にある工夫や技術。
それを実際に見ることができたのは、とても貴重な経験でした。
建て方は、家が一気に“家”になる日。
今回の現場で見た光景は、これから設計に関わっていく上でも忘れられない経験になりそうです。





