なぜ昔の家には段差があるの?先人の知恵を「現代の安心」へアップデートするリフォーム

こんにちは。長野で注文住宅・デザイン住宅を手掛けている「ALOHA100」プランナーの春原です。
今回は、近日中に着工予定の「敷居の段差解消リフォーム」についてご紹介します。今回ご依頼いただいたのは、足腰に不安を抱えていらっしゃるご年配のご夫婦です。

現場となるのは、長年大切に住み継がれてきた立派な日本家屋です。
しかし、年齢を重ねるにつれて日々の暮らしでネックになってきたのが和室と廊下を隔てる「敷居の段差」でした。

昔のお宅に段差が多いのには「理由」があります。
現代の住宅はフルフラットが当たり前ですが、昔の日本家屋には必ずと言っていいほど各部屋に段差がありました。実はこれ、当時の大工さんの「暮らしを守る知恵」の結晶なんです。

では、なぜわざわざ4~5センチもの段差を作ったのでしょうか?
それは分厚い畳を床に落とし込んで敷くための構造的な理由と、敷居を少し高く立ち上げることで廊下を這うように入ってくる冷たい隙間風やホコリが、生活空間である和室に入るのを防いでいたのです。
また、当時はふすまのような横引きの建具などしかなく、木の摩擦だけでスムーズに建具を動かすため、丈夫なレール(溝)を設ける必要もありました。

つまりこの段差は、昔の日本の気候風土の中で、少しでも快適に過ごすための「先人の工夫」だったのです。
しかし、どれほど歴史的・機能的な意味があったとしても、現代を生きるご年配の方にとって、この5cmは非常に危険な高さとなります。

視覚的に低いため、無意識のうちに足を上げる高さが足りなくなりがちです。
足腰が弱り、すり足気味に歩く方にとって、つま先が最も引っかかりやすい絶妙な高さです。些細なつまずきが、骨折などの大きな怪我に直結する恐れがあります。

私たちのリフォームは、ただ新しくするだけではありません「これからの暮らしを安全で快適なものにするためのアップデート」を行うのです。
プランナーの春原でした。