農地の「信託解禁」で何が変わる?実家の農地を相続する前に知っておきたいこと

こんにちは!長野で注文住宅・デザイン住宅を手がけている「ALOHA100」の鈴木です。
先日、日本経済新聞で、農地に関する気になるニュースを見つけました。
「農地、信託解禁で譲渡しやすく 耕作放棄地抑制へ農水省検討」という記事です。
農林水産省は、農地を農家ではない親族にも引き継ぎやすくするため、「信託」の解禁を検討しているとのことです。
今回は、検討されている制度の内容と、実家に田んぼや畑がある方が知っておきたいポイントを、家づくりの視点も交えてご紹介します。
■なぜ農地の信託が検討されているの?
農地は、相続によって複数の親族が権利を持つことがあります。
相続人が増えると、農地を農業者へ貸したり、農地として譲渡したりする際に、関係者の合意をまとめることが難しくなります。
その結果、使われないまま管理されず、耕作放棄地になってしまうこともあります。
今回検討されている「信託」は、農地の管理や処分に関する権限を特定の人へまとめやすくすることで、農地としての貸し出しや承継を進めやすくする仕組みです。

■信託解禁後も、一般の方へ自由に販売できるわけではありません
ここで注意したいのが、信託が解禁されても、農地を一般の住宅購入者へ自由に販売できるようになるわけではないという点です。
農地を農地のまま売買・貸借する場合には、法律に基づく手続きが必要です。購入する側にも、取得した農地を適切に耕作することなどが求められ、農業委員会の許可が必要になります。
つまり、今回検討されている制度は、
「農地を宅地として売りやすくする制度」
ではなく、
「相続で分散した権利を整理し、農地としての管理や利用を続けやすくする制度」
と考えるのが分かりやすいと思います。
■農地に住宅を建てる手続きは別です
実家に田んぼや畑がある方から、
「この畑の一部に家を建てたい」
「親から土地を譲ってもらえば建てられる?」
「使っていない農地を宅地として売却できる?」
といったご相談をいただくことがあります。
農地に住宅を建てる場合は、信託とは別に農地転用の許可や届出が必要です。
さらに、土地の場所や農地の区分、接道、上下水道、都市計画上の条件などによっては、農地転用や住宅の建築が難しい場合もあります。
周辺に住宅が建っていても、同じように建築できるとは限りません。
また、建築できる土地であっても、造成工事や水道の引き込み、境界の確定などに想定以上の費用がかかるケースがあります。
■農地を相続する前に、家族で話し合っておきましょう
農地は、相続してから活用方法を考えるよりも、所有者が元気なうちに家族で将来について話し合っておくことが大切です。
・誰が農地を相続するのか
・今後も農地として利用するのか
・農業者へ貸し出すのか
・住宅用地として活用できる可能性があるのか
・管理や固定資産税を誰が負担するのか
こうした点を事前に整理しておくことで、相続後のトラブルや耕作放棄を防ぎやすくなります。
今回の信託解禁は、まだ農林水産省が検討している段階です。農地法の改正や税制上の取り扱いなど、今後の動向にも注目していきたいと思います。
弊社では、土地探しだけでなく、ご実家の敷地や農地を活用した家づくりについてもご相談を承っています。
「親の畑に家を建てられる?」
「農地転用にはどのような手続きが必要?」
「造成費まで含めると、いくらくらいかかる?」
このような疑問がありましたら、土地を譲り受けたり計画を進めたりする前に、お気軽にご相談ください。
【参考】
日本経済新聞
「農地、信託解禁で譲渡しやすく 耕作放棄地抑制へ農水省検討」




